免許を返納して、自転車へと切り替えるデメリットとは?/strong>
高齢になった親御さんから、「免許を返納して自転車での生活に切り替えたい」と相談を受けた方からのお話です。
富士市・富士宮市の地域柄、車がなければ生活ができないエリアに住んでいる私たちにとって、車は生活と切っても切り離せない関係にあります。すぐに車を手放してしまうと、あとになって「やっぱり車が必要だった」と後悔されるお客様も多くいることをさのげんは、自転車・自動車販売の歴史とともに数多く見てきました。そこで、「免許は返納したほうが良い」「やはり無理」という両極端ではない立場から、ご高齢の親御さんの運転についてカーディーラーとして真剣に取り組みたいと、私たちさのげんは考えています。
免許を返納する前にこんなことを考えてみてください。
・1か月ほど車が無い生活を想像することができますか?
・自転車は普段から乗り慣れていますか?また、徒歩での生活をしていますか?
・再度免許を取得するには費用がかかり、教習を再び受ける準備は万全でしょうか?
大切なのは、いきなり手放すのではなく、「車が無い生活」が運用できるかをまずは試してみて、その状態に慣れることです。
買い物へ行くとき、病院へ行くとき、または天候を問わず、車を使用しない生活をしてみることからスタートしてみてください。そして、1回でも車を使いたいと思うことがあったら、今すぐ車を手放すことはお止めになったほうがよろしいかと思います。
何も車が無い生活をはじめるのに、いきなり車を手放すところから始める必要は無いのです。
ご不便を感じてストレスになったり、ご自宅に引きこもりがちになって体調を崩していたのでは本末転倒です。その結果、「あの時、息子(娘)に免許を返納するように言われたからこうなった」という形で親子の軋轢を生むのは、誰も望んでいない結末ではないでしょうか。
代替手段としては「自転車」ということになるのですが、ここにも落とし穴があります。
普段から自転車に乗り慣れていない親御さんが、高齢になってからいきなり自転車に乗ると、バランス感覚がなくなり、転んだときに足が出ず、肘をぶつけるなどのケガをしてしまいます。ケガで済むだけなら良いのですが、最悪入院をしてしまうこともあります。
そんなことをいって驚かしているのではないかと不安になる方も多いかもしれませんが、実際に身近で起きている話なのです。それなら、最近流行りの電動機付き自転車なら大丈夫なのではと思う方もいるかもしれませんが、重量があり、バランスを取ることが難しい商品であるということを頭に入れておいてください。また、ご自身の住まわれているエリアの交通状態や、週にどれくらい徒歩で生活しているのかなど、パーソナルにあった状況を考慮に入れてみてください。
最後に、金銭的なお話をしたいと思います。
これは単純に免許を返納することによって、再度運転をしなければならないときにかかる費用の話です。免許を取得するには、AT車の場合でも、最低30万以上のコストがかかります。これに加えて補習や再試験をしなければならないかもしれません。また、交付時にもお金はかかります。また、再度車を購入するとなると、購入費用も必要となってきます。一度免許を返納し車を手放してしまうと、こんなにも高額が動くことを想像できますでしょうか?
今大切なのは、免許を返納する、しないという決断だけではなく、その決断によって起きる生活の変化に慎重に寄り添うことです。
運転の技術や判断能力は人それぞれで、何歳になったら絶対返納したほうが良い、ということはありません。
しかし、一方で「ちょっと危なかったけど、まだ大丈夫」「言うことを聞かないから仕方ない」という判断が、事故に繋がっているのも事実です。
私たちは一律「返納」や「返納しない」という事をオススメするのではなく、カーディーラーという中立の立場から、ご家族の参考になるようなご提案をしたいと思っています。
たとえば
① 自動車はそのままで免許を返納された場合、どのようなことが起きるか?
② 自動運転の車に乗り換えた場合、どれぐらいの費用が掛かるのか?
③ その車を将来お子さんに譲られると、どうなるのか?
④ セニアカーをご購入いただくことで、問題は解決できるか?
⑤ セニアカーに必要なチェックシートやご家族の同意の存在、年齢やタイミングについて情報をお伝えする
などなどです。
マスメディアで良く聞く「免許をすぐ返納したほうが良い」だけでは片付かない、地域の問題を一緒に考える存在でありたいと思っています。具体的なセニアカーや自動運転車のご購入検討段階にない場合も、まずはお気軽にご相談ください。